こんにちは、エージェンテックのミヤザキです。
動画制作やプレゼン資料にナレーションをつけるのは、これまで時間もコストもかかる作業でした。
しかし、AI音声合成技術の進化により、テキストを入力するだけで、プロ顔負けのナレーションを生成できる時代が到来しています。
高品質で自然な音声を短時間で作成できるこの技術は、今や個人クリエイターから大企業まで幅広い層に利用されるようになりました。
本記事では、営業・マーケティング・広報・教育などの分野で注目されている「AI音声」の最新動向と活用方法をご紹介します。AIツールの選び方や導入のポイントも解説するので、プレゼン自動化を検討している方はぜひ参考にしてください。
AI音声生成とは?
AI音声生成の基本

近年急速に進化している「AI音声生成」は、テキストを人間のような自然な音声に変換する技術です。
従来の機械的な読み上げとは異なり、話し方や抑揚、感情表現までもリアルに再現できるようになってきました。これにより、プロのナレーターが不要なケースも増えており、より柔軟でスピーディーな音声制作が可能になっています。
音声合成とナチュラル音声の違い
音声合成(TTS: Text to Speech)とナチュラル音声生成の違いは、AIが文脈を理解し、より人間らしく話す能力にあります。
従来型のTTSは単調な読み上げが多く、感情や会話の抑揚に乏しかったのに対し、現在のAI音声は感情の込められた話し方や自然な言い回しを再現できます。
技術の進化:AI音声はどこまで自然になったか
ディープラーニングによる進化
AI音声の進化を支えているのは、ディープラーニングを活用した音響モデルと大規模な音声データセットです。
特に「Tacotron」や「WaveNet」といったモデルは、音のつながりやタイミングを人間のように調整することで、非常に自然な音声を作り出せるようになりました。これにより、AIが読み上げたとは思えないほどのリアリティを実現しています。

クローンボイスの登場
「クローンボイス」と呼ばれる技術も注目されています。
これは、特定の人物の声をAIが学習し、本人に極めて近い声を生成する技術です。著名人やブランドの声を使ったプロモーション、過去に収録した声の再利用など、さまざまな用途で導入が進んでいます。倫理的な議論もありますが、使い方次第で新たな表現の可能性を拓く技術です。
実際の活用事例

AI音声生成技術は、さまざまな業界や業務の現場で活躍しています。
特に、従来は時間とコストがかかっていたナレーションや説明業務の効率化において、AI音声は劇的な変化をもたらしています。ここでは代表的な活用分野を詳しく見ていきましょう。
マーケティング・営業用途
商品説明やプレゼン動画のナレーションをAIで自動化することで、企画から公開までのスピードが飛躍的に向上します。
たとえば、新商品リリース時に営業担当が個別に説明動画を作る代わりに、スクリプトとAI音声を使って短時間で統一された動画を複数作成可能です。
音声付きの提案資料を使うことで、顧客に与える印象も大きく変わり、営業の質や成果にも好影響を与えることが期待されます。
広報・社内コミュニケーション
社内報や経営メッセージをAI音声で配信することで、情報の伝達力と親しみやすさがアップします。
特に、複数拠点を持つ企業やリモートワークを導入している組織では、全社員に統一された音声メッセージを届けられる利点があります。また、ナレーターに依頼せずとも定期配信が可能になり、発信コストも抑えられます。
新入社員向けのオリエンテーションや社内研修用の資料音声化にも活用が進んでいます。
教育・eラーニング分野
教材や学習動画のナレーションにAIを使うことで、頻繁な修正や更新にも柔軟に対応できます。
たとえば、法改正や社内ルールの変更に合わせて教材を修正する場合も、録音し直す必要がなく、テキストを修正するだけで最新のナレーションがすぐに生成できます。多言語対応も可能なため、海外展開や外国人社員向けの教育にも有効です。
教育現場では、発達障害のある生徒向けに、理解しやすい音声を個別にカスタマイズして提供する事例もあります。
コンテンツ制作・SNS広告
YouTubeやSNS向け動画でAI音声を活用することで、スピード感のある情報発信が可能になります。
特に、短尺動画(ショート動画)において、ナレーション付きのコンテンツは視聴者の離脱率を下げる効果があるとされています。ターゲット層に合わせたトーンで自動的にナレーションを生成できる点も魅力です。
クリエイターが複数のパターンの音声付き動画を瞬時に制作できることで、A/Bテストやパーソナライズコンテンツの展開も容易になります。
メリットと懸念点
AI音声生成の導入には、ビジネスにおける多くの利点がある一方で、慎重に検討すべき課題も存在します。
ここでは、実務で活用する際に意識すべき代表的なメリットと懸念点を具体的に解説します。
メリット
懸念点
試せるAI音声ツール紹介
おすすめツール比較
以下は、実務で使えるおすすめAI音声ツールです。それぞれの強みを理解し、目的に合ったものを選びましょう。
ツール名 | 特徴 | 商用利用 | 無料プラン |
---|---|---|---|
VOICEVOX | 日本語に強く、操作も簡単。感情の表現も可能 | 可(要確認) | あり |
Amazon Polly | 多言語対応でナチュラルな音質。AWS連携に強み | 可 | あり(制限あり) |
Murf.ai | プレゼン用途に人気。音声とスライドの統合機能あり | 可 | あり |
ElevenLabs | 英語に特化。リアルな声質とクローン音声が特徴 | 可(制限あり) | あり |
そのほか、「Google Cloud Text-to-Speech」や「ReadSpeaker」など、特定の業種や要件に特化したサービスも数多く存在します。まずは無料トライアルを活用し、自社の目的や課題に合ったツールを選ぶのがポイントです。
これからの音声生成がビジネスをどう変えるか
営業・マーケの自動化
営業現場では、見積もり説明や製品紹介を動画で共有する動きが広がっています。
そこにAI音声を組み込むことで、説得力ある提案を短時間で量産できるようになります。営業担当者ごとの話し方のバラつきを抑え、統一されたクオリティのプレゼンテーションを提供できる点も大きなメリットです。

新しい職業・サービスの登場
「AI声優」「AIアナウンサー」といった職業はすでに登場しており、今後は「企業専用AIナレーター」や「パーソナライズ音声マーケティング」など、より細分化されたサービスも普及していくでしょう。
ブランドの“声”をAIが担う時代が、すぐそこまで来ています。
まとめ

AI音声生成は、営業・マーケティング・教育分野において強力なツールとなります。
特に音声付きプレゼンの自動化や動画制作の効率化では、導入メリットが非常に大きいといえるでしょう。
とはいえ、人間の感性や微妙なニュアンスは、まだAIでは完全には再現できません。声のトーンや間の取り方、相手との空気感など、人間ならではの魅力も依然として重要です。
今後は「人の声 × AI音声」をうまく組み合わせたハイブリッド型の活用が主流になると考えられます。人が演出し、AIが支える──そんな新たなナレーションの世界がすでに始まっているのです。
AIの進化を味方にし、誰もが“語れる”時代を活用してみてはいかがでしょうか!
弊社では、AI音声技術を活用した「AI音声ナレーション動画ツール」を提供しております。
ご興味のある方は、ぜひ一度ご覧ください。

今回の記事はここまで。
また次回、面白い内容をお届けできるよう頑張りますので、お楽しみに。
エージェンテックのミヤザキでした。
筆者紹介
宮崎 裕明
株式会社エージェンテック / マーケティング部 エヴァンジェリスト

産業機器の開発20年を経て、開発のプロセス改善コンサルティングに従事。その後はスマートデバイスを活用したソリューションでお客様の課題解決支援に奔走し、VR元年から360度パノラマVRコンテンツ制作サービス立ち上げに参加する。
自身でも5,000枚以上の360度パノラマ写真を撮影してきた経験をもとにコンテンツの重要性の啓蒙活動を行い、その一環としてYouTube・本ブログにて「教えて!VR先生」を連載。
2024年度4月からは、AIをテーマにYouTube・本ブログにて「教えて!AI」連載中。
現在は、AIの活用を中心とした活動のほか、スマートデバイスのフィールド業務におけるDX化の普及のため、さまざまな業界の支援へと活動の幅を広げている。
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